「ご飯を噛まずに飲みこみなさい。」と、魚の骨などが喉に刺さったときによく親に言われていましたが、通常はご飯はよく噛んで食べるもの。(ちなみに魚の骨の話は、最近では誤った知識です)しかし、1日3回の食事に、よく噛み、ゆっくりと時間をかけて食事をする現代人は少ないのではないでしょうか。時間に追われ、数回噛んだだけで流し込むように食事をし、消化が追い付かなくて胃腸の調子を崩す方も多いのでは。
「ひとくち30回以上は噛みなさい。」と耳にしますが、それには理由があるのです。
あまり噛まずに飲み込んだ食べ物は消化しきれず、胃腸に負担をかけます。よく噛んで食べることで、消化吸収をよくし、丈夫な胃腸になります。胃腸病はよく噛むことでかなり改善されます。噛むことは、症状によっては胃腸の薬に匹敵する場合もあります。
また、噛まない食事は未病をも引き起こします。糖尿病はもちろん、歯周病にも関係すると言われ、漢方ではアレルギー体質の抵抗力に関係すると言われます。
胃腸が悪い人は、甘いものを好む傾向にあります。甘いものが無性に食べたくなったときは胃炎の前兆であることがあります。胃腸に効くのは、適度な甘みがあって黄色い食べ物です。(かぼちゃ・さつまいも・とうもろこし・大豆 など)
甘いものが食べたくなったら、お菓子のように砂糖を多く含んだ甘みが強すぎる食べ物は避けて、リンゴや柿、ハチミツなどから甘味をとることをおすすめします。
もちろん、胃腸に良くてもよく噛んで食べることが一番です。口のまわりの筋肉を動かすことで、アンチエイジング効果やダイエット効果なども得られます。
・人参湯(にんじんとう)
日ごろから胃が弱く、血色がすぐれず、冷え性で食欲がない方や、冷えると尿が多く出るものにも用います。
・安中散(あんちゅうさん)
痩せ形で、冷え性、胃酸を吐いたり胸やけや悪心などの症状があるときに用います。
・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
軽度の胃痛や悪心、嘔吐があるものに効果があります。
・六君子湯(りっくんしとう)
貧血、冷え性で胃部に圧重感があり、身体が疲れやすく、めまいや頭重があるものに適しています。