毎年11月第3木曜日に解禁されるボジョレー・ヌーヴォー。今年のぶどうの出来はどうだろう〜?と、みんなと語りながら飲むワインは楽しいものです。普段ビール派の人ものワインを飲む機会が増えることと思います。そこでワインの漢方食能や赤ワインと白ワインの効能の違いも知り、身体に感じながら?美味しく頂くのも良いではないでしょうか。
まず赤と白ワイン共通に持っている食能は、気を巡らせてリラックスさせる効果があります。一方ウイスキーは気分高揚、ビールはイライラを軽減とされ、その日の気分と対話しながら選ぶのも。五性は温です。この温タイプの食品は、気や血液のめぐりをよくして代謝を高め、冷えた身体を温めてくれます。疲れに悩む気虚タイプや、冷え性の寒タイプにおすすめです。
帰経は、心・肝・脾です。心とは血液を全身に巡らす心臓と気の巡りなどの循環に関わるものです。そして肝とは解毒や血液貯蔵など肝臓の働きのほか、感情コントロールに関わるものとされます。五味は酸が対応しています。そして最後に脾は、脾臓だけでなく消化器全般をさします。対応する五味は甘です。この3つ帰経が気になる方は適量の範囲で取り入れるのが良いでしょう。
またメニューとしてバランスをとるには、5つの帰経のうち残り2つの肺・腎を組み合わせるといいので、例えば、肺に対応する五味は辛にあたりネギ、ニンニク、パセリ、生姜、唐辛子、タマネギなどです。腎に対応する五味は、鹹(かんと読み、塩などのしょっぱさ)で昆布、しょうゆ、みそ、海老、イカ、あさり、牡蠣、豚肉などです。
赤ワインについて、五味は酸・甘・渋・辛です。(渋は、五味の酸と同様の働きと考えてください。)赤ワインの特徴は酸と渋ですので、摂りすぎると肝はもちろんですが、相克(そうこくと読み、抑える関係)の甘/脾も痛めます。ですので、甘である、オリーブ、えのき、エリンギ、ニンジン、マグロ、鰹、鮭、鴨、牛肉、豚肉、穀類、芋類、豆類などを合わせると良いでしょう。
成分としてポリフェノールを多く含み動脈硬化予防が有名です。他にがん予防や高血圧予防、認知症予防に期待されています。(但し根拠としてはこれからも引き続き研究が必要となるでしょう。)
白ワインについて、五味は辛・酸・甘です。特徴は辛であり、摂りすぎると肺はもちろんですが、相克の酸/肝も痛めます。ですので、酸である、レモン、酢、梅、いちご、オイスターソース、クランベリー、リンゴ等を合わせると良いでしょう。実はワイン自体がもともと五味に酸が含まれていますのでバランス食といえるでしょう。また、白ワインもう一つの特徴は甘/脾であり、消化吸収を促進する働きがあり、消化力低下などに効果があります。これは食前酒として親しまれる理由の一つでしょう。またデザートワインは、より甘/脾が強く食後の消化を助ける理由の一つと言えるでしょう。
五性 | 帰経 | 五味 | |
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赤ワイン | 温 | 心・肝・脾 | 酸・甘・渋・辛 |
白ワイン | 温 | 心・肝・脾 | 辛・酸・甘 |
関連リンク
五味、五性、帰経など「漢方の基本を学ぶ」はこちら
これらワインはもちろんアルコールが含まれていて、過剰に摂取するとその逆となり健康を害する場合があります。適量を守り楽しくいただきましょう。
※厚生労働省「日本健康21」1日純アルコール20g、ワインで約1.5杯(約180ml)です。