肌は通常約28日間で入れ替わります。肌の深い部分より生まれた皮膚は、2週間かけて表皮まで上がってきて、2週間ほど表皮で外気に触れて、垢としてはがれ落ちます。
この約28日のターンオーバーが遅れ、皮膚の乾燥や厚みが増してくると「くすみ」や「黒ずみ」が生じます。
「古い皮膚・角質」と「古い血」を溜めてしまう原因は代謝の低下や血行不良です。年齢を重ねても新陳代謝が衰えないよう、早めの就寝と質の高い睡眠、バランスのとれた食事、適度な運動が大切です。また血液の滞り・淀みや冷えにより、血行不良にならないようケアが必要です。運動やマッサージは血行改善法の一つです。しょうが、クローブ、長ネギ、にら、シナモン、鶏肉、くるみなど冷えを温める食材です。血行改善の生薬は、当帰(とうき)、紅花(こうか)、芍薬(しゃくやく)、地黄(じおう)など、そして血液の滞りを改善する生薬は、川芎(せんきゅう)、牡丹皮(ぼたんぴ)、桃仁(とうにん)などで、このような生薬が組み合わされる漢方薬が良いでしょう。
生理前一週間ごろから、くすみ以外にも、肌荒れ、イライラ、頭痛など様々な不調に見舞われます。これは、黄体ホルモンが分泌され母体を防護する働きを始める為です。この黄体ホルモンは、皮脂を多く分泌させ肌のバリアーを厚くし、メラノサイトの働きを高め紫外線から皮膚を守ろうとします。結果これが、肌のくすみ、吹き出物、しみなどが出やすい原因になります。この時期は特に食事や生活のバランスに注意が必要です。しかし、生理が終わってから1週間ぐらいは、黄体ホルモン(エストロゲン)が分泌され、肌の若返りと肌の荒れた状態の回復が始まります。
生理不順や生理が困難な人は、リズムやバランスを整えることは、肌の回復力や抵抗力、栄養吸収力のためにも重要です。このような場合、女性ホルモンのバランスを整える漢方薬を取り入れると良いでしょう。